フジワラブログ

短歌とか、思ったことを書き残します

涙について(短歌5首)

 

 

観覧車の、頂点に着て心中を謳う 横浜は愛してくれない

 

 

 

 

銀色を教えてほしい 好きだった殺人鬼が乗っている翼の

 

 

 

 

上を向き涙を堪えると空から、「泣いてもいいよ」とハグしてくれた

 

 

 

 

「三月を真空パックで届けます。」サラダチキンの塩気とか月

 

 

 

 

死んでいる都会の川は夜になり人の生きている光を映す

 

 

 

 

ヒーリング (短歌10首)

LSD   君の言葉の断りたいその暴力や慰みのこと。











本能と自覚した時、快楽が三〇〇〇倍になった気が(昼寝)






魂の拠り所って必要じゃない?予備校って宗教っぽくない?






神だって平和を願っているらしい 推しのいいね欄のキリル文字






ポケモンセンターがほしい いつしかの六人で回復されたい












海と罪 Booming∞したその顔は潔白らしく打撃を僕に






ガンギマリ・巨人 火力発電のブっ太い煙突を咥えている











パスワード忘れてリセットしたみたい この街には故郷感がない







午前二時 イヤホンのバッテリー切れ パソコンが鳴らすpopsの孤独






やるせなく体を倒してもがくたび溢れる願い・嘘・ヒーリング






三月

3月に詠んだ短歌5首です。


春の海 離れ離れになる時期の青い海 まだ青い僕たち






なつかしい梅の香りを吸い込んで出るくしゃみさえなつかしいのさ






虚像の過去の自分が好きでたぶん、その人も僕を好いているはず






セルフィッシュ・セルフィッシュ 顔が魚っぽい見せられないのを撮り貯めること






ご飯とか行こうと言って別れるよりずっと悪口を言い合っていたい






February

2月に詠んだ短歌5首です。


ニュートンのゆりかご 君とすれ違う

1秒以内で 目線 目線






冬なんてもんは姑息な生き物で非情それでいて透き通る雪






今俺が生きているなら神様も釈迦も「ここだよ」って教えてる






両耳を塞ぎあなたの声の記録だけを留めて

目の裏を見て






「拍手って残像だね」と笑ってた 消えてった 高校時代の